都会でも見れる木星の衛星、土星のリング観察の時期や方角など感激できる観察の方法とは?
まず、季節を選びましょう。季節的には、これからの10月から来年の3月ごろまでが良いと思います。
次に方角をえらびましょう。方角は、星座の数が多いのが南の方向です。
星座観察は、一度はおこなってみたいと思っても、季節に関係するのかやどの方角を見たらよいか分からないと思います。
勿論、都会になると所謂、光害というものがあるので、星座が良く見えないということもあります。
・ 当たり前ですが、夜空がはれていないと見えませんよ!
だから、一番いいのは、晴れる日が多いことが良い季節になります。
・ 星座は夜観測します
だから、できれば、暖かいほうが良いとおもいますよね。
実は、夏が一番星座観察に相応しいと言われています。
夕涼みを兼ねてできれば、ベストかもしれません。
次は、冬になりまます。
ところが、寒さが厳しいですね!
しかも、空気が乾燥していて、意外と星座がぶれる可能性もあります。
おおまかには、このような二つの時期が良いと言われています。
1. 木星、土星など太陽系の惑星観察に相応しい季節とは
一般に、星座が夜空に多く登場(見える)するのは、冬になります。
しかも、見やすいのは、天頂付近です。
太陽系の惑星は、東の空から南、天頂へと移動してきます。
有名なオリオン座も冬の南の空で午後の10以降にかなり高いところまで登ってきます。
なので、星を観測するのに相応しいのは、冬だと思っています。
実際に、夏は、星座を見たことがありません。
もっぱら、冬専門です。
2. 木星を観察するには
ほぼ、10月ごろから1月にかけて、東から天頂付近にみることができます。
10月ごろだと、かなり遅い時間にならないと登ってきませんが、東の空の上空に一つだけ明るく輝いている星が木星です。
この時期に、明るい星というと金星と木星だけです。
金星は、南の方角で地平線付近にいます。あまり、高くは上がってきません。
なので、木星をみつけるのは、簡単だと思います。
しかも、金星は、非常に明るいので木星と区別しやすく、分かりやすいです。
横浜の都会の明るさでも十分、肉眼で見つけることができます。
話が金星にそれていますが、金星自体は、天体望遠鏡で観察しても丸い光だけでなんのへんてつもなく、面白みに欠けます。
勿論、天体望遠鏡の倍率をあげても変化しません。
さて、話を木星に戻します。
木星は、ガリレオが発見したと言われている4つの衛星があります。
木星自体にも模様があります。
1) 木星を観察する手順
① 目視で東南の空から天頂までを見渡して、明るそうな星を見つけましょう。
これは、目視でも十分に見つけられます。他に、明るい星が近くにありませんから。
実際に、横浜の明るい街の光があっても見つけることができます。
なので、都会ほど明るくない場所では、それ以上に簡単に見つけることができます。
② 反射式天体望遠鏡のファインダーで目視で見つけた木星を捕捉します
反射式天体望遠鏡の詳しい説明は→天体望遠鏡を選択する際に気を付けるべき7つのポイント
のところで説明している反射式天体望遠鏡に付属しているファインダーを覗いて、木星を確認します。
ファインダーの倍率によっては、4つの衛星が見えるかもしれません。
この記事では、ファインダーと反射式天体望遠鏡が平行になるように位置合わせをする必要がありますが、この位置あわせについて記載していないので、ここで説明します。
・ ファインダーと反射式天体望遠鏡を平行にする理由とは
つまり、星座ははるかかなたにあるので、基本的には、光は、ファインダーと天体望遠鏡の高さが違っていても、平行になります。
なので、ファインダーと天体望遠鏡の鏡筒とが平行であれば、ファインダーでみつけた木星をそのままの状態で天体望遠鏡でも同じ位置でとらえることができます。
もし、位置がずれているようであれば、ファインダーの縦横の調整ねじで木星が、天体望遠鏡の中心にくるように調整します。
調整する惑星はなんでもいいのですが、月は、大きすぎるので、多少、おおまかな感じになるかと思います。
勿論、月は、分かりやすいので、合わせやすいと思います。だいたいの位置を月で合わせて、その後に木星や金星で合わせるといいかもしれません。
話は、それますが、屈折式天体望遠鏡は、昼間にかなり遠方(山などの木々)にある物体を利用してファインダーと天体望遠鏡の鏡筒の位置を平行に合わせることができます。
反射式望遠鏡は、光を反射させた像をみるため、昼間には、明るすぎるために、この手法をとることができません。
一応、これで、ファインダーと天体望遠鏡の位置合わせがすんだこととして話をすすめていきます。
ファインダーで木星を見つけたら反射式天体望遠鏡で木星をそのままみることができます。
勿論、地球が自転しているので、時間をおくと木星の位置がずれてしまいます。
なので、ファインダーで位置を調整、天体望遠鏡で木星を捕捉を繰り返すことで、天体望遠鏡の中心に木星を捉えられるようになります。
この作業は、それほど、難しくはありません。
② 最初は、低倍率でみつけましょう
木星がいかにおおきいといっても、天体望遠鏡でもほとんど点ぐらいの大きさです。
その周りの衛星も点です。
なので、いきなり、高倍率にするとすぐに接眼レンズ(アイピース)の視野から見えなくなってしまいます。だから、低倍率で、木星観察になれた方が効率が良いと思います。
反射式天体望遠鏡に付属のPL25mmからはじめましょう。
慣れてきたら、PL10mmにして倍率をあげるといいですよ!
勿論、地球が自転しているので、すぐにアイピースの視野から見えなくなります。
PL10mmだとかなり、移動スピードは速いです。
この倍率だと、木星が小さなマルぐらいの大きさに見えるはずです。
良く、教科書に載っているような木星の大きさではありません。
点を少し大きくした程度です。
→ ● イメージ的には、これぐらいか、これより小さいかもしれません。
③ 慣れてくると縞模様が見えるかもしれません
これは、私の経験なんですが、暗がりの中にある程度1,2時間ぐらいいると結構、暗さに慣れてきて、今まで、見えていなかった星が見えるようになってきます。
このぐらいの時間を天体望遠鏡と格闘していると木星の縞模様がかすかに見えてくるようになります。
勿論、絶対にというわけではありません。天候状況や空気の質にも左右されます。
見えたかと思うとまた見えなくなったりします。
この辺は我慢比べという感じでしょうか。
でも、縞模様が見えると嬉しくなってきますね。
④ 寒さ対策が意外と一番重要かも
冬の寒空の中を1,2時間、それも午前零時ごろまでとなると寒さは、本当に嫌になるくらいです。
初めて、天体望遠鏡を購入したときは、我慢できますが、次第に慣れてくるとこの寒空の中を外にでるのが嫌になってきます。
しかも、天体望遠鏡の重量が重いとなると余計に面倒になってしまい、次第に、天体観測から遠ざかることになりかねません。
万全の寒さ対策が重要です。
⑤ 怪しい人物だと思われないことも重要かも
私は、庭先で天体望遠鏡を設置して星座を観測しています。なので、他の人から夜中に庭で何をやっているのかと怪しまれないか不安でしかたがないです。
たまたま、私のマンションは庭付きなので、外に天体望遠鏡を持ち出すことができるのですが、庭の真ん中に持ち出すことはできません。
いつも、ベランダ内で他の人にみられないように星座を観測しています。
ただ、どうしても、見たい星座があるときだけ、多少、庭先に天体望遠鏡をだしてみることもあります。
⑥ 一番の難点は、横浜のミナトミライの建物の明かりと防犯用の街灯
やはり、木星ぐらいの明るさだとかなり、鮮明に観測できますが、それでも、ミナトミライの明るさは邪魔になります。
それに加えて、意外と邪魔なのが防犯用の街灯です。
想像以上に明るいです。
近くに、大きな公園があり、その先に市の病院もあって、孫が発熱して救急外来へいくことがあり、大抵夜中に近い時間に行くことが多く、その病院からの帰りに星を見ることもあります。
しかし、うっそうとした森になっている公園ですが、道路は、意外と点々の防犯用の街灯が設置されていて、真っ暗闇にならないようになっていました。
普通に歩いていたり、自転車にのっていると暗くて不安だと思っていましたが、星空観察にいいのではないかと思うと意外と明るすぎるということです。
中々、最初は、気付かなかったのですが、面白いなって思っていました。
この点では、都会は、星座観察にはあまり向いていないのは事実です。
話がそれますが、実際に、都会と田舎と比べるとどれぐらい違うのか経験しました。
私の実家は、北陸の片田舎にあるのですが、ときどき、田舎に帰省することがあり、たまたま、夜遅く夜空を見上げたら、横浜では、天体望遠鏡を使用しないとわからない星座などが、普通に見れてしまいます。
この時は、かなりショックでしたね!
勿論、片田舎だからといって防犯用の街灯がないわけではなく、それなりに明るいです。
私の感覚だと明るさ的には、多少暗いぐらいの感じに思えました。
ところが、実際には、想像以上に都会は明るいということでしょうか。
話を木星に戻しますが、ある程度、都会の明るさの中でも木星ぐらいだと縞模様と衛星はみることができます。
勿論、縞模様は、かなり苦労すると思います。
3. 土星の観察
土星は、木星が見れる時期が終わるころからみることができます。
なので、1月ごろだと思います。
基本的には、木星の観察の方法と同じで、特に、気を付ける点はないですね。
土星は、リングをみることができます。
リングをみるのは、それほど難しくないと思います。
ただ、大きさは、木星とそれほど変わらないです。
これも前述したように教科書などに載っている土星の大きさなんていうのは、無理です。
あくまでも、小さなマルぐらいの大きさにリングがあるかなっていう感じで見ることができます。
上手くいけば、リングのスジが見えるかもしれません。
ただ、反射式天体望遠鏡の200mmサイズでみえるかは微妙かもしれません。
反射式天体望遠鏡の特徴などの詳細は→天体望遠鏡を選ぶさいの7つのポイント
5. 太陽系の惑星のメジャーな木星と土星の星座観察のまとめ
とにかく、星座観察には、晴れることが前提なので、関東地方などになるとどうしても冬場になってしまいます。
そのため、空気も乾燥していて空気のゆらぎもあり、寒さという厳しさもあります。
そして、天体望遠鏡を使いこなすには、設置が簡単であることが重要です。
特に、冬は、星座の数が多いので楽しみがいっぱいです。
そこに、寒さと天体望遠鏡の重量(200mm鏡筒で総重量30kg近く)という障壁があります。
この二つは避けて通ることができません。
しかし、この二つを乗り越えると素晴らしい宇宙というものを実感することができるようになります。
是非、まずは、この太陽系の惑星の木星と土星を観察して楽しんでください。